便利なBIツール導入の落とし穴!?頑なにBIを使おうとしない社員たち

どーも、豆腐です。

これまでPowerBIの使用方法について説明してきましたが、本日はPowerBIを社内で普及させる難しさ、普及させるためのコツについて語ります。

BIツールの普及率

日本企業のBI導入率をcopilotに聞いてみると、74%(まじで!?)との回答!

多くの企業で導入が進んでいますが、皆さんの会社で使用している人はどのくらいいるでしょうか

私は製造業を営む中小会社に勤めており、BIツール普及に向け、社員への教育なども行ってきましたが、我が社でPowerBIを使用してレポートを作成できるのは10数名程度(10/500=2%!?)と思います。

これまで紹介してきた活用例に関し、教育資料を作成し、勉強会まで実施してきましたが、全く普及しませんでした。

たくさんの社員とコミュニケーションをとり、なぜみんながPowerBIを使用しないか思い知らされましたので、今日はそれをまとめます。

これからPowerBIの導入をしようとしている方のお役に立てれば幸いです。

BIを拒絶する理由集

①そもそも私困ってない

BIツール導入の利点は、データの見える化だけではなく、データ整理を自動化できる点です。

導入当初、データ整理が大変で残業が多い部に指導に行った際、担当の方に「そもそも私困っていない」と言われたのはいい思い出。

会社側は効率をあげて仕事をしてほしいと考えますが、担当者は今より仕事を増やしたくないと考えており、ここに深刻なギャップが存在します。

②Excelでグラフを書くのが趣味

エクセルデータをPowerBIに取り込み、グラフまで作ってあげたある部長さんは、PowerBIのデータを見てこんなこと言いました。

「このグラフデータ、エクセルにしてメールで送って!

技術的には可能なのですが、なぜエクセルのデータをPowerBIで取り込んで、さらにエクセルに戻す必要があるのか…。理由を聞いたところ、「グラフの形が気に食わないから、修正したい。」とのこと。

「お前の仕事はグラフの色変えて遊ぶことじゃないだろ…」と思いましたが、似たような人が多く存在しました…

③それってマクロでよくない?

社内にはマクロなどを使って仕事を効率的に進めている社員もいます。しかし、マクロがわからない社員も多いため、BIの導入を進めようとしましたが、返り討ちに合いました。

ただ、こういう方々はすでに効率よく働いているので、無理に勧める必要はないと判断しています。

④勉強する時間がない

多くの人が、この言い訳を口にします。

しかし、気持ちはすごくわかるので、まず彼らが担当する一つの業務をPowerBI化してあげて、空いた時間で勉強するよう指導しました。

しかし、残念なことに、この空いた時間は同僚とのおしゃべりで消え、彼女は定時で帰っていくようになりました…

⑤モンスター依頼人

BIは非常な便利なソフトで、大体のことは対応できます。しかし、なんでもできる魔法使いではありません。

先日私のところにきた依頼人は「製品と原料のトレーサビリティが取りたい。」と言ってきたので、「製品と原料のロットNoがあれば可能ですよ。」と答えたところ、それはないと言い始めました。

彼は最後に、「なんだ、BIって大したことないな。」と吐き捨てて去っていきました。

BIが大したことないのではなく、自分の仕事、やりたいことを説明できない彼が大したことないのですが、BIの仕組みを理解せず、なんでもできると誤認している人にはうまく使いこなせません。

⑥契約してやったんだから自分で勉強しろと言い張る本社

私の使用しているPowerBIは、感覚的に操作できる非常に使いやすいソフトです。

しかし、なんの説明もなしに使いこなすのはちょっと難しい

また、YouTubeなどをみても、機能を説明するチャンネルは多く存在しますが、実際の業務事例を紹介してくれるサイトが少ないため、お手本がない…

困って本社に助けを求めましたが、「そんなの自分で勉強するのが普通でしょ?」と正論を押し付けられて終了。

幸いなことに、BIの心得がある先輩がいたので、基本操作を教えてもらってなんとかなりましたが、0から始めるのはハードルが高いため、なんらかのお手本が必要です。

※私のサイトは、お手本になるように心がけて作成しております。参考になれば幸いです。

BIを普及させるためのポイント

結局、我が社では少数の人間が使用できるようになっただけで、普及には至りませんでしたが、どうしたらうまくいくのかを再考しました。

①基本操作可能な人材を育成

まずは少人数でいいので、講習などに参加させましょう。できれば、講習前にBIツールを操作しておき、教えて欲しい操作を明確にしましょう。

また、BIメーカーには有料の相談窓口もあるはずなので、導入初期は費用を惜しまないほうが、あとあと苦労しなくて済みます。

②専任の部隊をつくる

我が社の一番の失敗は、兼務者だけでこのPJを進めたこと。結果として導入事例は増えず、育成した人材も自分の業務範囲内でしか活用できずに終わりました。

「どこも忙しくて人が出せない」と言われそうですが、兼務者だけではモチベーションを維持できず、必ず失敗します。専任部隊は、PJが終わったら解散させればいいだけ。短期間でいいのでBIプロジェクトに集中させるる体制を整えましょう。

③役立つツールを作成し配布

まずは案件を募り、業務の仕様をヒアリングし、専任部隊でツールを作成し、できたファイルを配布しましょう。

便利なツールができた状態であれば、みなさん喜んで使ってくれます。

使い始めると「ここをこうしたい」という要望が必ず出てくるので、ここからは実担当者に編集させましょう。

実担当者が興味を持って編集するようになればしめたもの。私がそうであったように、あとは自分で勝手に他の業務にも使い始めます。

④作成したツールを周知する

できたツールは会社全体に報告しましょう。同じ悩みを抱えた部門が必ずあるので、第2、第3の依頼人が現れ、導入事例はどんどん増えていきます。

⑤とにかく使いまくる

以上の流れができたら、あとは会社全体で使いまくるだけ。始めは興味を示さなかった人たちも、周りが使い始めると自分も使おうと思い始めます。日本人独特の思考かもしれません。

以上、数年間会社の業務効率化に携わった担当者の心の叫びでした。これからBIを普及させようとしている方々のお役に立てば幸いです。

以上、豆腐がお送りしました。

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【初心者でもわかる製造業向けBI活用講座】これってAI?インフルエンサー機能を使って原因解析!

どーも、豆腐メンタルです。

今日もPowerBI講座をやっていきます。

これまでスーパー相関図やR^2ランキングで、業務効率化を試みてきましたが、我がモンスター上司がこんなことを言ってきました。

上司「豆腐くん、グラフとかじゃなくて、AIとかでチャチャっといい感じに結論を出せないのかね?」

f:id:tofumentalpapa:20240819090204p:image「そうなったら、もう上司さんは用済みですねー」と言いたくなりましたが、確かにいまの時代、それくらいできそうですよね。


というわけで、調べてみたところPowerBIにもありました。題して「主要なインフルエンサー」機能。今回、実際に使用してみました。

設定方法

まずはインフルエンサー機能をクリック。

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続いて、その因子に関係がありそうなデータ列を、赤枠欄にドラッグ&ドロップ!

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データ数がそれなりに必要なので、複数のデータを選定します。


設定はたったのこれだけ。重要なのは、どの項目を解析に使用するかだけ!

 

ここが人間様が頭を使う必要があり、関係ない因子ばかり選択したり、明らかに相関のある数字を入れても、精度のいい解析ができないのでご注意を!

インフルエンサー機能結果画面

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画面には影響度の高い因子が出力されており、根拠データも合わせてまとめてくれています。

 

画像は平均値より値が大きい方が、数値が増加傾向にあることを棒グラフで示しています。勝手にやってくれるので、データ整理してくれる部下ができた感じ。

 

しかし、どの属性を選択するかが重要となるため、PCに任せておけばいいというものではないことを、覚えておいてください!

以上、豆腐がお送りしました!

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【初心者でもわかる製造業向けBI活用講座】相関が高い因子を特定するR2乗ランキング機能とは!?

どーも、豆腐メンタルです。

今日はスーパー相関図の活用事例「R^2ランキング」をご紹介。

 

先日、スーパー相関図の活用術をご紹介しましたが、上司からこんな相談が…

上司「結局どの因子が一番相関が高いのか、探すの面倒なんだけど。」

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「自分で探してくださいよ…」と言いたくなりましたが、確かにそれがわかった方が便利ですよね。

というわけでこんな方法を考えてみました。名付けて「R2乗ランキング」!

設定方法

相関図にR^2を計算させ、カードを使って表示する方法を下記の資料でご説明しましたが、今回はこれを使います。

まず、棒グラフのアイコンをクリック。縦軸に計算させた「r^2」のデータをドラッグ&ドロップ!横軸にはX軸用のシートから、「属性」を持ってきます。

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さらにスライサーを選択してY軸用のシートから「属性」をドラッグ&ドロップ!

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注意:棒グラフの横軸に入れる「属性」はX軸シート、スライサーに入れる「属性」はY軸シートにしてね!同じ属性を入れるとうまくいきません!

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以上の手順で、棒グラフが作成されます。

R2乗ランキングの使用方法

スライサーでたとえば「D01」を選択すると、「D01」と各属性のR^2が出力されます。

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一番左はD01同士の比較なので、r^2は1となりますが、次の項目が今回登録している項目の中で一番r^2が大きい因子となります。

ランキングができるため、まずはこのグラフを見て全体感をチェックし、気になる因子をスーパー相関図で確認すると効率的です!

スライサーで属性を変更するだけで、グラフを変更可能なので、楽チンです!

例えば、以下は製品分析4のグラフ。

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最後に、属性以外のスライサーも設置して完成!

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ランキングを見ることで、予想外の因子が高い相関を示すことがあるので、ぜひ使ってみてほしいです。

以上、豆腐がお送りしました!

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【初心者でもわかる製造業向けBI活用講座】PowerBIでスーパー相関図を作成する方法

どーも、豆腐メンタルです。

本日は、たった一枚グラフを作れば、あらゆる条件のグラフがかける、スーパー相関図作成方法をご紹介します。

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検討ケース

今回は下記のケースを作成します。

原料の前処理と製品処理工程があり、原料および製品の分析結果、製品処理の創業条件データが別々のエクセルがあるとします。

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では、早速作成していきます。

データの加工

下記のようなエクセルが4つあるとします。

①原料分析1

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②原料分析2
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③製品処理工程操業条件

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④製品分析
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製品分析には原料のロットNoと製造処理工程のNoが記載されており、この情報をキーに原料分析結果や操業データを紐づけできます。

エクセルのlookup機能でも対応できますが、エクセルが重くなりがち。そこで、まずこれをBI で対応します。

BIによるエクセルデータ整理

まずは同じフォーマットの原料分析データを縦に重ね合わせます。

データを縦に追加する時は「クエリの追加」。

データを横に追加する時は「クエリのマージ」を使用します。

クエリの追加

まず上部のクエリの追加をクリック。

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クリックすると下記の画面が出てきます。今回は2他のシートを結合するので、下記の手順で「原料分析結果1」と「原料分析結果2」を選択。
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すると2枚のシートが結合されたシートが赤枠にできました。
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クエリのマージ

今度は横にデータをくっつけます。

製品分析データに原料ロットが記載されているので、原料ロットが一致しているデータのみを自動で貼り付けます。

赤枠の流れで、クリック。
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次の画面で、結合するシート名と、紐付けに必要なロットNoが記載されている列をクリック。これだけでデータを結合してくれます。
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結合されたシートが新たに作成されます。

続いて、今できたシートに製品工程の操業条件をマージします。「クエリのマージ」の方を選択すると、既存のシートにデータを追加してくれます。
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今度は、「製品処理工程No」をキーにクエリをマージします。
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以上の流れで4枚のシートが一枚に纏まりました。

マージしたデータの展開

続いて、結合されたデータを確認します。

一番右の列に結合されたデータがありますが、赤枠のところをクリックしてください。
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クリックすると下記のウィンドウが開きます。結合したデータのうち、チェックを入れたデータのみ表示させます。ちなみに、今回は赤枠のチェックを外します。
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OKをおすと、チェックを入れたデータのみ、表示されます。同様に、原料分析のデータも展開してみます。
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必要なデータを展開しますが、D50という項目は製品と原料両方にあり、区別したいので赤枠にチェックを入れて、okを押します。
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展開されたデータのヘッダーを見ると、シート名の「原料統合」が全ての列に追記され、製品と原料のD50を区別できました。
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ピボットの解除

最後にデータのピボット解除を行います。

相関図にプロットしたい数値データのみを右側に、日付データやテキストデータ(ロットNoなど)は左に寄せます。

配置が完了したら、赤枠のように数値データだけ選択し、ビボット解除をしてみましょう。

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ピボット解除完了しました。値列にテキストデータが残っていると、うまくプロットできないため、値列を右クリック→型の変更→10進法を選択し、数値データのみに変換することをお勧めします。
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シートの複製

続いてシートをコピーします。

相関図を作る際、X軸のデータとY軸のデータは別々のシートにする必要があるので、コピーして2枚にします。

シート名を選択→右クリック→コピー→ペーストでシートが2枚になります。

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わかりにくいのでコピーしたシートには(Y)を追加しておきます。

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これでデータ整理は完了。いよいよ、相関図を作ります。

相関図の作成

相関図データをクリックして、値欄に「製品ロットNo」、X軸に「値」、Y軸にはコピーして作ったシートの「値」を選択。値はロットNOごとの平均値を使いたいので、vマークをクリックして、平均を選択してください。

設定すると、下記の画面になりますが、うまくいっていません。
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リレーションシップの設定

現状の設定では、値は2枚のシート別々で参照していますが、製品ロットNoの情報を片方のシートしか参照していません。

そこでこれを解決するために、リレーションシップの設定を行います。一番左に3つの四角が線で繋がったアイコンをクリックすると下記の画面になります。

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「全データ統合」と「全データ統合(Y)」のボックスを探して近くに並べ、片方の製品ロットNoをもう一つのシートの製品ロットNoにドラッグ&ドロップ。あとは赤枠の順でクリックしてOKとします。

以上の設定で、2つのシートの製品ロットNoは共通情報として認識されました。グラフを見てみると、対角線上にデータが並びます。

これで設定完了!
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スライサーの設定

あとは好きなデータを選別できるように、スライサーを設置します。

完成した結果は以下です。

例えばx軸にD90、Y軸にD50を選択肢、生産日などの好みの生産条件を指定すると、勝手にデータが描き変わります。
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こんなのとか、
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こんなのとか、
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いろんな条件を指定してグラフを書き換えることが可能です。

以上がスーパー相関図作成手順となります。

ここまでできれば、このファイルを社内に配布しておけば、現場作業員も上司も、好きな時、好きな条件でデータをチェック可能になり、自分でデータを加工する必要もありません。

まさに働き方改革!

本記事が皆様の残業時間を削減できることを祈念しています。

以上、豆腐がお送りしました!

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【初心者でもわかる製造業向けBI活用講座】PowerBIのスーパー相関図で操業解析を効率化!

どーも、豆腐メンタルです。

今日はPowerBIであらゆる条件をプロット可能なスーパー相関図を作成し、操業解析を効率化した事例を紹介します。

 

検討ケース

例えばこんなケースを考えてみましょう。

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原料の前処理と製品処理工程があり、原料および製品の分析結果、製品処理の操業条件データが別々のエクセルにあるとします。

本設備において、製品のある分析値が悪化したため、原因を解析することになりました。あなたならどうするでしょうか?

私なら以下の手順

①製品と原料のトレーサビリティを調査

②分析値と関係しそうな原料分析値、操業条件と製品分析結果の相関図作成

③相関係数の高い因子を特定し是正

しかし、分析値や操業因子が大量にあったり、生産ロットが大量にあるととても面倒な作業です。

では、PowerBIを使うとどんなものができるのかをご紹介します。

 

スーパー相関図ご紹介

こちらがすべての情報を盛り込んだスーパー相関図。

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左に「生産日時」「X軸項目」「Y軸項目」「段数」「装入位置」「炉No」という変数を選択できるようにしており、ここをクリックするだけでグラブが変化します。

今回の例は工程は少ないですが、変数はざっと30程度あります。

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このグラフを用いて、操業解析をするとどうなるか、上司と新人くんの会話形式でのぞいてみましょう。

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上司「何かわかったか?」

新人「理論上、D50と相関あるはずなのですが、相関が見られません(*´Д`*)」

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上司「原料のD50はどうだ?」

新人「あまり関係なさそうです。」

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上司「じゃあ、X軸の項目しらみつぶし見てみよう!」

部下「この変数がかろうじて、傾向が見えそうな気がします。何か関係あります?」


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上司「回収日数か···確かに可能性あるな。」

新人「マジすか( ̄Д ̄)!!!」

上司「3段で処理した製品のデータだけにできるか?」 

新人「楽勝っす(*´∀`*)!ぽちっ。」


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上司「あまり変化ないか。じゃあ次は上段から回収した製品のみにしてみよう。」

新人「徐々に傾向が見えてきたような。

回収日数が短いと、分析値が高くなりそうですね(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」

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上司「これはいつからのデータ?」

新人「23年1月です。」

上司「確か23年3月に分析装置のメンテでバイアスが変わったから、それ以降のデータだけにしたいな。」

新人「じゃあカレンダーで23年3-12月のデータに変更っと!」

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上司「それっぽい傾向が見えてきたな。この2.5くらいのデータはいつのだ?」

新人「No6ラインの6回目です。」

上司「その回は停電トラブルがあったから、データから外そう。」

新人「じゃあ、炉Noで削除します。」f:id:tofumentalpapa:20240806174731p:image

上司「なるほどねー。」

新人「R^2小さいですね。」

上司「この系はばらつき大きいし、要因もたくさんあるから、こんだけあれば十分だ。よくやった!明日から製品回収は12日以降にしよつ。」

新人「ありがとうございます(*´Д`*)」

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とまぁ、こんなイメージです。

ディスカッションをしながら、左の変数をいじってグラフを修正できるので、これ一枚あればどんなシチュエーションにも対応できます。

後日、別の分析値に異常が出ても、このファイルを使い回すこともできるので、無駄になりません。

製造現場でのBIツールの有用性がご理解いただけたでしょうか?

次回以降はこの相関図の作成方法をまとめます。BIに興味が湧いた方、部下に勉強させたい方は、ぜひ本サイトを活用いただければ幸いです。

では次回から、相関図作成編に突入!

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【初心者でもわかる製造業向けBI活用講座】PowerBIで相関図を作成する方法

どーも、豆腐メンタルです。

第7回目は相関図を作成する方法をご紹介!

相関図作成手順

変数の設定

相関図を一枚作るのはとても簡単です。

まずは「相関図」のアイコンをクリック。

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クリックすると、XY軸に何をプロットするかを設定。右のシートのところから、必要となる変数二つをドラッグ&ドロップ。

傾向線の追加

傾向線は下記の順で、傾向線のところにチェックを入れれば完了です。

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R2乗値の追加

R2乗はクイックメジャーという機能を使用します。上部の「クイックメジャー」を選択し、タブをクリックすると、何を計算させるか選択できます。今回は相関係数をクリック。

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次に計算に使用するデータの選択。グラフを作成した時に設定した変数と同じものを選択し、下部の「追加」をクリック。

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するとマクロの文章が出てきますが、一旦無視して閉じます。すると、計算結果が右のシートのどこかに出現します。たまに変なところにできるので探しましょう。

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見つけたら一度ダブルクリックで中身を確認します。今回計算させたのは相関係数なので、Rです。R2乗が必要な場合は、文末に「^2」を追加してください。

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追加すると、シートにもう一つ計算結果追加されます。わかりにくいので、名前を「R^2」にしておきます。

最後にグラフの近くに「カード」を設置し、計算結果をカードの「データ」に指定すると表示されます。

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以上が、相関図作成の手順です。

ただし、今回の方法の弱点として、変数がたくさんあった時、何十枚もグラフを作成する必要がありめんどくさい••••••

そこで、次回はスライサーと組み合わせて、たった一枚のグラフで全ての変数のグラフを作成する方法をご紹介します!

以上、豆腐がお送りしました!

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【初心者でもわかる製造業向けBI活用講座】PowerBIのデータ更新方法

どーも、豆腐です。

今回はPowerBIのデータ更新方法を紹介。

データ更新の方法

データ更新ですが、上部にある「ホーム」の「更新」をクリックします。参照するファイルがいくつあっても、ワンクリックで終了です。

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実に簡単!

データ更新完了したら、レポートの方も更新するため、右上の「発行」をクリック!

参照するデータがエクセルであれば、エクセルのデータのコピペは必要ですが、sqlサーバーから直でデータを持って来る場合は、更新ボタンをクリックするだけなので、とても簡単です!

簡単すぎて、今回の講義はこれで終了!

以上、豆腐がお送りしました!

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【初心者でもわかる製造業向けBI活用講座】PowerBIのレポート配布方法

どーも、豆腐です。

本日はBI活用5日目。最も重要なレポート共有について紹介します。

レポート共有はBIで最も強力なツール。作成した最新版のレポートを関係者に自動配布できるため、「あのデータ、メールで送って!」とか、「こういうグラフを作って欲しい!」という仕事依頼を「BIで勝手に作ってください。」の一言で完了できます。

では早速始めます。

レポートの作成方法

レポート発行

上部のバーにある「発行」をクリックします。ファイルの保存を要求されるので、保存しましょう。
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ワークスペースの選択

次に、レポートを発行するワークスペースを選択します(ワークスペースの作り方がわからない方は、先にワークスペース作成の項目を参照してください)。

噛み砕いていうと、どのグループメンバーにレポートを共有するかをここで決めます。ひとまず、初回はマイワークスペースを選択してみます。ここは、自分だけが閲覧可能なスペースです。

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発行はこれで完了です。

レポート確認方法

PowerBI web 版へのログイン

レポートはMicrosoft teams経由で閲覧することも可能ですが、まずは基本となるPowerBI web版での確認方法を紹介します。

まずはログイン。下記のURLから、サインインしていきましょう。
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レポートを開く

ログインするとこんな画面が開きます。左側のマイワークスペースをクリック。
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マイワークスペースを見ると、先ほど発行したファイルが確認できました。名称「240721-powerBI」、型が「レポート」の方をクリックします。


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クリックすると下記のような画面がひらけます。PowerBIデスクトップで作成した図表が、全てweb版でも確認できました。

レポート発行は以上です。手順はとても簡単!


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しかし、冒頭でマイワークスペースを選択したので、この時点では自分しかレポートを見れません。

他人にレポートを共有するためには、ワークスペースを作成し、そのスペースに関係者を招待し、レポートの発行時に作成したワークスペースを指定します。実際にやってみましょう。

 

ワークスペース作成方法

ワークスペース作成

PowerBI web版の左の「マイワークスペース」をクリックすると下記の画面が表示されるので、下の「+新しいワークスペース」をクリックして、スペースを作成します。

f:id:tofumentalpapa:20240803163216p:image

閲覧者の設定

新しいスペースができたら、グループ名の右側に表示される「•••」をクリックし、「ワークスペースアクセス」をクリック。
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下記の画面になったら、赤枠内に名前かメールアドレスを入力。会社で契約している場合は、名前を入れるだけで候補がでてくるはずです。

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必要なメンバーを登録したら完了です。あとは、レポートを再度発行する際、保存先に作成したワークスペースを指定すれば完了です。

 

以上、ここまでの5回を全てマスターすれば、以降はグラフ作成、データ更新、報告書のメール送付という無駄な作業からは完全に解放されます。今後は、新しいデータが追加されたらデータ更新とレポート発行をクリックするだけです!おめでとうございます!

PowerBIは一つ一つの作業は簡単なので、あとは組み合わせとアイデア次第で、自分の業務を効率化できると思います。ぜひトライしてみてください。

「こんなことできないかな?」という質問があれば、データをいただければ可能な限り回答したいなと思いますので、ご質問いただければと思います。

以上、豆腐がお送りしました!

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【初心者でもわかる製造業向けBI活用講座】PowerBIでグラフを作成する方法

どーも、豆腐メンタルです。

BI講座4回目は図表の作成方法についてご説明いたします。

最後までみていただければ、こんなグラフが簡単に作れるようになります。

f:id:tofumentalpapa:20240801085836p:image

①グラフデータの選択

ではまず、左のアイコンをクリックして、レポートの画面をクリック。さらに、今回のグラフに使用するデータシートを右から選択します。

前回作成した、ピボット解除済のシートを選択します。

f:id:tofumentalpapa:20240801085821p:image

②レポート背景色設定

続いて、画面背景を変更します。今見えている画面がそのままレポートにも反映されるため、見栄えをよくします。


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③グラフ作成

そして、いよいよ棒グラフを作成します。

右側の視覚化のところから、棒グラフなアイコンを選んでクリックすると、空のウィンドウが作成されます。

空のウィンドウをクリックして選択したら、x軸に「県」、y軸に「就業者数」、凡例に「業種」をドラッグ&ドロップ。これだけで、グラフが描けました。


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基本はどのグラフもこれだけです。思ったより簡単だと思います。

 

④グラフのスライサー設定

続いてスライサーを使って、調査年を選択できるようにします。スライサーアイコンをクリックしたら、空のウィンドウをクリック。


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続いてフィールドに「属性」をドラッグ&ドロップ。すると、ウィンドウに調査年が出現しました。

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ちなみに、属性は前回ピボットの解除コマンドを使って作成しましたが、ビボット解除とスライサーをうまく組み合わせると、一枚グラフを作るだけで、様々な条件のグラフを描くことができます。

⑤スライサーの表示設定

スライサーの表示方法は「リスト」や「プルダウン」「ゲージ」などもありますが、スペースをとりたくない時はプルダウンがおすすめ。

変更の方法は下記の流れでクリックしていけば変更可能です。


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グラフに2020年のデータだけを表示したい時は、スライサーで「すべて」のチェックを外して、「2020年」にチェックを入れましょう。f:id:tofumentalpapa:20240801085811p:image

以上の流れで、「県」「業種」「性別」などのスライサーも作成します。立場が違えば、知りたい情報が異なるため、詳細に設定しておきましょう。後々、自分の仕事が楽になります。

⑥カード設定

続いて、カード機能を使って合計人数の数値を右上に表示させましょう。

カードを選択して出現する空のウィンドウをクリックします。


f:id:tofumentalpapa:20240801085825p:image

クリックしたら、右側の「データ」欄に値をドラッグ&ドロップすると、ウィンドウに合計値が表示されます。値のところを右クリックすると、平均値などに切り替えることも可能です。

 

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数字はスライサーとリンクしているため、例えばスライサーで調査年を変更すると、数値も自動で切り替わります。

f:id:tofumentalpapa:20240801085814p:image

 

⑦グラフの凡例表示設定

次はグラフの凡例の位置を右側に変えてみましょう。右側の視覚化ウィンドウの凡例をクリック。


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オプションの位置の選択肢から好きなものをクリック。
f:id:tofumentalpapa:20240801085800p:image

⑧データラベル表示

最後にグラフにデータラベルを表示してみましょう。右側のビジュアル書式設定から、合計ラベルにチェックを入れると、合計値画数値で表示されます。これで完成!
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いかがでしたでしょうか?ここまで設定すれば、誰でも好きな条件でグラフを描くことができます。

 

仕事をしていると、「こういう条件でグラフを作り直して送ってくれ!」と上司にたのまれることも多いですが、BIのレポートを共有しておけば、上司が、自分でグラフを描くことが可能となり、自分の仕事が減ります!

まさに、働き方改革!

というわけで、次回は最も重要なレポート共有機能をご紹介!

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【初心者でもわかる製造業向けBI活用講座】PowerBIのデータ読み込み•加工方法

どーも、豆腐メンタルです。

視聴者様から「実際のデータ整理の方法を教えて欲しい」とのご要望がありましたので、第3回はこれまで使用していたレポートの作成方法をご紹介します。

レポート作成は大きくわけて①データの加工、②図表およびレポート作成、③レポートの更新および配布の3段階に分かれます。

今回はデータの加工についてまとめます。

データ読み込み

まずはデータの読み込み。

ツールバーの「データを取得」をクリックして、データの種類を選択しましょう。今回はエクセルファイルですが、データサーバーにも直接アクセス可能です。

f:id:tofumentalpapa:20240730084513p:image

続いて、エクセルファイルの保存場所を選択すると、下記の画面に飛びます。

左にエクセルのシート名称が出てくるので、読み込みたいシートにチェックを入れたら、「データの変換」をクリック。

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すると、データが読み込まれます。エクセルの画面と大きな差はありません。
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2.データの加工

データが読み込めたので、加工を開始。

①ヘッダーの設定

青枠で囲まれた部分は、ヘッダー。

この列にその列の名称を入力しましょう。

スライサーなどの設定をする際に必要となるため、わかりやすい名前を入力しましょう。

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②列および行の削除

エクセルデータの場合、解析に不要なデータが含まれていることが多いです。文章や単位など、必要ない情報はこのコマンドで削除します。

緑の枠の列を選択し、列の削除をクリック!
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1-10行も不要な情報なので、同じ流れで行を削除しましょう。

③データのフィルタリング

今回のデータでは、随所に小計の列が含まれていますが、全て読み込むと二重カウントになり、正しく集計されません。

そこで、フィルター機能を使って不要なデータを削除します。

例えば緑枠の部分は総数になっていますが、総数=男+女の人数なので、このままでは二重カウントになります。

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赤枠をポチッとすると、男、女、総数が出てくるので、男と女にだけチェックを入れると、総数は非表示になります。
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この他にも、業種にも総数が存在しているので、同じ方法で削除します。
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④テキストデータの修正

続いてテキストデータの編集。

例えば赤枠列に都道府県が入力されていますが、「01000-北海道」と入力されています。

しかし、欲しいのは「北海道」で、見栄えが良くないので、不要な情報をカットしてみます。

赤枠の「抽出」をクリックすると、テキストの抽出方法が出てくるので、適したものを選択。

今回は_後の文字のみを抽出する方法を選択。

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赤枠に_を入力すると、一番右の列に県名の列が追加されます。列はドラッグ&ドロップで移動可能なので、2列目に移動しておきましょう。

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⑤シートのコピー&ペースト

続いてシートのコピペの方法。同じデータを使って、異なる加工をしたいときは、シートをコピーしておけばOK。

シート名をクリック→右クリック→コピー→貼り付けでシートが追加されます。
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⑥ピボットテーブルの解除

続いてピボットテーブルの解除。

ピボットの解除が何かわからない方は下記の図を参照ください。

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左が人間に理解しやすいデータの並びですが、ピボットの解除をすると、全ての分析値が縦に並びます。要するに、人間の理解しやすいデータの並びを解除して、数値を縦に並べ直しています。

解除の方法は、対象の列をクリックして選択肢たら「列のピボット解除」をクリック。
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すると、ヘッダーの項目が「属性」列に移動し、数値は「値」列に移動します。
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⑦値の型変更

最後に値の型を変更します。データには数値、テキスト、時間などの種類があります。

グラフにプロットする場合、数値データに型を変更しないとプロットできないため、下記の方法で数字(今回は10進数)に変換します。

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以上が、基本的なデータ加工方法になります。いかがでしたでしょうか。そこまで難しい操作はないと思います。

ちなみに、データ加工の履歴は右の青枠に表示されますので、後で確認も可能です。
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さて、ここまでくればあとはグラフを書くだけ·····というわけで次回、グラフ作成編。

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