どーも、豆腐です。
これまでPowerBIの使用方法について説明してきましたが、本日はPowerBIを社内で普及させる難しさ、普及させるためのコツについて語ります。
BIツールの普及率
日本企業のBI導入率をcopilotに聞いてみると、74%(まじで!?)との回答!
多くの企業で導入が進んでいますが、皆さんの会社で使用している人はどのくらいいるでしょうか。
私は製造業を営む中小会社に勤めており、BIツール普及に向け、社員への教育なども行ってきましたが、我が社でPowerBIを使用してレポートを作成できるのは10数名程度(10/500=2%!?)と思います。
これまで紹介してきた活用例に関し、教育資料を作成し、勉強会まで実施してきましたが、全く普及しませんでした。
たくさんの社員とコミュニケーションをとり、なぜみんながPowerBIを使用しないか思い知らされましたので、今日はそれをまとめます。
これからPowerBIの導入をしようとしている方のお役に立てれば幸いです。
BIを拒絶する理由集
①そもそも私困ってない
BIツール導入の利点は、データの見える化だけではなく、データ整理を自動化できる点です。
導入当初、データ整理が大変で残業が多い部に指導に行った際、担当の方に「そもそも私困っていない」と言われたのはいい思い出。
会社側は効率をあげて仕事をしてほしいと考えますが、担当者は今より仕事を増やしたくないと考えており、ここに深刻なギャップが存在します。
②Excelでグラフを書くのが趣味
エクセルデータをPowerBIに取り込み、グラフまで作ってあげたある部長さんは、PowerBIのデータを見てこんなこと言いました。
「このグラフデータ、エクセルにしてメールで送って!」
技術的には可能なのですが、なぜエクセルのデータをPowerBIで取り込んで、さらにエクセルに戻す必要があるのか…。理由を聞いたところ、「グラフの形が気に食わないから、修正したい。」とのこと。
「お前の仕事はグラフの色変えて遊ぶことじゃないだろ…」と思いましたが、似たような人が多く存在しました…
③それってマクロでよくない?
社内にはマクロなどを使って仕事を効率的に進めている社員もいます。しかし、マクロがわからない社員も多いため、BIの導入を進めようとしましたが、返り討ちに合いました。
ただ、こういう方々はすでに効率よく働いているので、無理に勧める必要はないと判断しています。
④勉強する時間がない
多くの人が、この言い訳を口にします。
しかし、気持ちはすごくわかるので、まず彼らが担当する一つの業務をPowerBI化してあげて、空いた時間で勉強するよう指導しました。
しかし、残念なことに、この空いた時間は同僚とのおしゃべりで消え、彼女は定時で帰っていくようになりました…
⑤モンスター依頼人
BIは非常な便利なソフトで、大体のことは対応できます。しかし、なんでもできる魔法使いではありません。
先日私のところにきた依頼人は「製品と原料のトレーサビリティが取りたい。」と言ってきたので、「製品と原料のロットNoがあれば可能ですよ。」と答えたところ、それはないと言い始めました。
彼は最後に、「なんだ、BIって大したことないな。」と吐き捨てて去っていきました。
BIが大したことないのではなく、自分の仕事、やりたいことを説明できない彼が大したことないのですが、BIの仕組みを理解せず、なんでもできると誤認している人にはうまく使いこなせません。
⑥契約してやったんだから自分で勉強しろと言い張る本社
私の使用しているPowerBIは、感覚的に操作できる非常に使いやすいソフトです。
しかし、なんの説明もなしに使いこなすのはちょっと難しい。
また、YouTubeなどをみても、機能を説明するチャンネルは多く存在しますが、実際の業務事例を紹介してくれるサイトが少ないため、お手本がない…
困って本社に助けを求めましたが、「そんなの自分で勉強するのが普通でしょ?」と正論を押し付けられて終了。
幸いなことに、BIの心得がある先輩がいたので、基本操作を教えてもらってなんとかなりましたが、0から始めるのはハードルが高いため、なんらかのお手本が必要です。
※私のサイトは、お手本になるように心がけて作成しております。参考になれば幸いです。
BIを普及させるためのポイント
結局、我が社では少数の人間が使用できるようになっただけで、普及には至りませんでしたが、どうしたらうまくいくのかを再考しました。
①基本操作可能な人材を育成
まずは少人数でいいので、講習などに参加させましょう。できれば、講習前にBIツールを操作しておき、教えて欲しい操作を明確にしましょう。
また、BIメーカーには有料の相談窓口もあるはずなので、導入初期は費用を惜しまないほうが、あとあと苦労しなくて済みます。
②専任の部隊をつくる
我が社の一番の失敗は、兼務者だけでこのPJを進めたこと。結果として導入事例は増えず、育成した人材も自分の業務範囲内でしか活用できずに終わりました。
「どこも忙しくて人が出せない」と言われそうですが、兼務者だけではモチベーションを維持できず、必ず失敗します。専任部隊は、PJが終わったら解散させればいいだけ。短期間でいいのでBIプロジェクトに集中させるる体制を整えましょう。
③役立つツールを作成し配布
まずは案件を募り、業務の仕様をヒアリングし、専任部隊でツールを作成し、できたファイルを配布しましょう。
便利なツールができた状態であれば、みなさん喜んで使ってくれます。
使い始めると「ここをこうしたい」という要望が必ず出てくるので、ここからは実担当者に編集させましょう。
実担当者が興味を持って編集するようになればしめたもの。私がそうであったように、あとは自分で勝手に他の業務にも使い始めます。
④作成したツールを周知する
できたツールは会社全体に報告しましょう。同じ悩みを抱えた部門が必ずあるので、第2、第3の依頼人が現れ、導入事例はどんどん増えていきます。
⑤とにかく使いまくる
以上の流れができたら、あとは会社全体で使いまくるだけ。始めは興味を示さなかった人たちも、周りが使い始めると自分も使おうと思い始めます。日本人独特の思考かもしれません。
以上、数年間会社の業務効率化に携わった担当者の心の叫びでした。これからBIを普及させようとしている方々のお役に立てば幸いです。
以上、豆腐がお送りしました。
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