どーも、豆腐メンタルです。
今日はPowerBIであらゆる条件をプロット可能なスーパー相関図を作成し、操業解析を効率化した事例を紹介します。
検討ケース
例えばこんなケースを考えてみましょう。
原料の前処理と製品処理工程があり、原料および製品の分析結果、製品処理の操業条件データが別々のエクセルにあるとします。
本設備において、製品のある分析値が悪化したため、原因を解析することになりました。あなたならどうするでしょうか?
私なら以下の手順
①製品と原料のトレーサビリティを調査
②分析値と関係しそうな原料分析値、操業条件と製品分析結果の相関図作成
③相関係数の高い因子を特定し是正
しかし、分析値や操業因子が大量にあったり、生産ロットが大量にあるととても面倒な作業です。
では、PowerBIを使うとどんなものができるのかをご紹介します。
スーパー相関図ご紹介
こちらがすべての情報を盛り込んだスーパー相関図。
左に「生産日時」「X軸項目」「Y軸項目」「段数」「装入位置」「炉No」という変数を選択できるようにしており、ここをクリックするだけでグラブが変化します。
今回の例は工程は少ないですが、変数はざっと30程度あります。
このグラフを用いて、操業解析をするとどうなるか、上司と新人くんの会話形式でのぞいてみましょう。
上司「何かわかったか?」
新人「理論上、D50と相関あるはずなのですが、相関が見られません(*´Д`*)」
上司「原料のD50はどうだ?」
新人「あまり関係なさそうです。」
上司「じゃあ、X軸の項目しらみつぶし見てみよう!」
部下「この変数がかろうじて、傾向が見えそうな気がします。何か関係あります?」
上司「回収日数か···確かに可能性あるな。」
新人「マジすか( ̄Д ̄)!!!」
上司「3段で処理した製品のデータだけにできるか?」
新人「楽勝っす(*´∀`*)!ぽちっ。」
上司「あまり変化ないか。じゃあ次は上段から回収した製品のみにしてみよう。」
新人「徐々に傾向が見えてきたような。
回収日数が短いと、分析値が高くなりそうですね(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」
上司「これはいつからのデータ?」
新人「23年1月です。」
上司「確か23年3月に分析装置のメンテでバイアスが変わったから、それ以降のデータだけにしたいな。」
新人「じゃあカレンダーで23年3-12月のデータに変更っと!」
上司「それっぽい傾向が見えてきたな。この2.5くらいのデータはいつのだ?」
新人「No6ラインの6回目です。」
上司「その回は停電トラブルがあったから、データから外そう。」
新人「じゃあ、炉Noで削除します。」
上司「なるほどねー。」
新人「R^2小さいですね。」
上司「この系はばらつき大きいし、要因もたくさんあるから、こんだけあれば十分だ。よくやった!明日から製品回収は12日以降にしよつ。」
新人「ありがとうございます(*´Д`*)」
とまぁ、こんなイメージです。
ディスカッションをしながら、左の変数をいじってグラフを修正できるので、これ一枚あればどんなシチュエーションにも対応できます。
後日、別の分析値に異常が出ても、このファイルを使い回すこともできるので、無駄になりません。
製造現場でのBIツールの有用性がご理解いただけたでしょうか?
次回以降はこの相関図の作成方法をまとめます。BIに興味が湧いた方、部下に勉強させたい方は、ぜひ本サイトを活用いただければ幸いです。
では次回から、相関図作成編に突入!
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